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トラ・トラ・トラ(その1) [太平洋戦争]

 今日仕事が終わって帰ってきてから、先日、衛星放送でやってたのを録画した「トラ・トラ・トラ」を見た。この映画を見るのは久しぶりである。日米開戦前夜から真珠湾攻撃に至るまでを書いた、歴史大作である。
 この映画の見所は2つある。まず、アカデミー賞も取った真珠湾攻撃シーンなどの特撮技術。そしてもう一つ忘れてならないのは、歴史的事実を忠実に描いた作品だということである。そこにちりばめられたエピソードやセリフは、ほとんどそのまま事実であると思ってよい。多少、脚色されている部分もあるが、約95%は事実である。こういう映画は、実は非常に珍しい。というのも、大体の戦争映画は、そこに反戦思想だったり、逆に士気高揚を狙ったものだったり、あるいは主役の恋愛がテーマで、戦争はその背景に過ぎないとか、そんなものがほとんどである。その意味では、この映画は異色作と言ってよい。あくまで奇をてらわず、歴史的事実を伝えるためだけに作られた映画ということができる。
 それもそのはず。原作になっているのは、歴史学者のゴードン・プランゲという人が書いた本である。この本は、私は読んだことないのだが、当時の日米の関係者、すなわち実在の政治家や旧軍人に実際にインタビューして作られているのである。
 この映画を見ていて、いくつもの思いが心をよぎった。
 まず一つは、この映画を20歳そこそこのときに見て、初めて山本五十六という軍人が優れた人だということを知ったのを思い出した。もうかれこれ20年近く昔のことである。実は当時、家に誰かからもらった本で、「井上成美」という阿川弘之氏の書いた本があった。そのオビに「山本五十六、米内光政に続く3部作」と書かれていたので、早速本屋に行って阿川弘之著の「山本五十六」を買って読んだのである。それで初めて、右翼に狙われながらも命を懸けて三国同盟に反対したとか、太平洋戦争に最も強硬に反対していたとか、驚くべき事実を知ったのだ。私の人生を変える転機になった本が何冊かあるが、この本はその内の一つとなった。その本に私を導いてくれたのが、この映画だった。
 それから、真珠湾を攻撃した帝国海軍の航空部隊であるが、これは当時、おそらく世界で最強の航空兵力だったと考えられるが、今の人たちはそんなこと何も知らないんだろうな、と思ったこと。真珠湾を攻撃したのは、97式艦攻(艦上攻撃機)、99式艦爆(艦上爆撃機)、そしてまだ当時最新鋭の零式艦戦(艦上戦闘機)、いわゆるゼロ戦である。これらはどれも、当時としては最高水準の性能を誇った純国産の機体で、特に零戦(レイセンと読む。ゼロではなくこの読み方が正しい)などは、当時、零戦1機で敵機2機ないし5機に対抗できる、と言わしめた戦闘機なのだ。それは決して慢心でもなんでもなく、事実であった。しかも搭乗している隊員は非常に練度が高く、機体だけでなく技量も世界トップクラスであったろう。映画にも出てくる、源田実や淵田美津雄はその代表である。
 ほかにも思ったことがあるが、長くなるので今夜はこの辺にしておこう。


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