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新宮城(福島県喜多方市) [古城めぐり(福島)]

県道沿いに残る堀と主郭跡

 猪苗代から米沢へ向かう途中、喜多方を経由することにし、喜多方の新宮熊野神社に寄った。ここには、長床という古い形の拝殿があり、国の重要文化財に指定されている。この形式の拝殿は全国的にもかなり珍しく、ほかでは南北朝史に名高い福井の杣山城の近く、大塩八幡宮にやはり重文指定の長床式拝殿を見たことがあるだけである。ちなみに大塩八幡宮は、新田義貞に味方して戦死した瓜生保の一族が宮司をしていたと伝えられている。
 さて、熊野神社を参拝した後、近くに城跡があるのは事前調査で知っていたが、雨脚が強いのでそのまま通り過ぎようとしたら、県道沿いに「新宮城跡駐車場」というあまりにも直接的な名前の看板が出てくるではないか!これはと思い、車を止めて雨の中周囲を歩いてみると、駐車場の南側に薮に埋もれた沢と言うか小川が流れていて、外堀の雰囲気である。次に県道に沿って北側に歩いていくと、畑の手前に「新宮城址」の碑が立っていて、その背後の畑は一段高台になっている。どうもこれが城跡のようだ。さらに歩くと、盛夏ゆえ草が生い茂っていてちょっと見ただけでは分かりづらいが、堀跡と土塁らしき地形が明確に残っているのがわかった。どうもこの城は平野部に築かれた方形居館跡の様である。ぐるっと回って駐車場に戻ってみたが、駐車場の隅にもどうやら土塁の一部らしい地形が残っている。
 畑化しているがかなり遺構がはっきりと残っており、現代では奇跡に近い。このままこの貴重な遺構を、残していって欲しいものである。
 なお、この城を築いた新宮氏は佐原義連の後裔で、この城から8kmほど北に佐原義連のものと伝えられる墓がある。佐原義連の後裔の一流は、戦国大名として名高い葦名氏となった。

北側の堀と土塁

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/37.622560/139.835143/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f0

(補足)後で調べたら、この城は複郭のかなり大きな城だったようだ。


タグ:中世平城
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