グールドのゴルトベルク [クラシック音楽]
今夜、久しぶりにグールドのゴルトベルク変奏曲を聞いた。
それは、年末に新しいパソコンのセットアップを続けながら、11月にBSで放送されたグレン・グールドのドキュメンタリー番組を見たからである。たくさんのグールドの映像やインタビュー、演奏が含まれていて、非常に興味深い内容だった。映像の中では、この希代の天才は、自由奔放に自分の心の赴くままに音楽を楽しんでいた。本人が最も愛した、言わずと知れたバッハに始まり、シューベルトの交響曲やシェーンベルクまで弾いていた。それはすべて、その瞬間のひらめきで弾いているようだ。それでいながら音楽の本質から外れず、殊にバッハにおいては、まるでバッハが乗り移って弾いているような優雅さと完成度であった。
この番組に触発されて、2007年の大晦日はグールドのゴルトベルク変奏曲を聞いて過ごした。音符一つ一つが均整の取れた、それでいながら自由な、類稀な演奏だ。評価が定まった現在でさえ聞くとそう感じるのだから、このアルバムが発表された当時、音楽界に与えた衝撃は計り知れないものがあっただろうことは想像に難くない。バッハの演奏としては、シェリングの無伴奏と対を成す傑作であろう。
さて、いよいよ新年。いい音楽のおかげで、2008年が良い年になれば・・・。
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