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大室城(群馬県前橋市) [古城めぐり(群馬)]

DSC06982.JPG←二ノ丸周囲の水堀
 大室城は、もともとこの地の土豪の大室氏が12世紀末頃まで構えた城であったが、この頃は北西500mほどの場所にあったという。室町時代には現在の地に新たに現在の地に築城され、白井長尾氏に属して家臣の牧弾正の居城となった。時代が下って1600年の関ヶ原の戦いで徳川家康が覇権を握ると、1601年に酒井氏が前橋城に入封し、家臣の石川氏がこの城を守った。1749年に酒井氏が姫路に移ると石川氏もそれに従い、城の管理を最善寺に任せたという。
 大室城は、東神沢川沿いの台地上に築かれた平城で、本丸には大室神社が、二ノ丸には公民館が置かれている。本丸と二ノ丸は東西に並んでおり、二ノ丸は周囲より一段高く、本丸はそれより更に一段高くなっている。本丸にはそれほどの広さがないので、城主の館は二ノ丸にあったものと思われる。二ノ丸の南北と東の三面には土塁と水堀が残り、よく整備されている。本丸北には堀跡の道を挟んで馬出し状の高台が、また西側にも堀を挟んで土塁が残っている。現地解説板の縄張図では、更に北曲輪・南曲輪があり、城下町を取り込んだ総郭になっていたようだが、現在では宅地化で湮滅している。全体に小規模ながら、よく城跡らしい雰囲気を残している。
 群馬県民は、赤堀城など中小土豪の作った小さい城ながら、市街化で破壊しつくすことなくどれもよく遺構を保存し、丁寧に解説板まで整備している。素晴らしいことだと思う。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.386535/139.186735/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1
タグ:中世平城
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