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長沼城(栃木県二宮町) [古城めぐり(栃木)]

DSC09020.JPG←宗光寺遠景
 長沼城は、藤原秀郷の後裔で小山三家の一つ長沼氏の初期の居城である。藤原秀郷は天慶の乱で平将門討伐において武功を挙げ、鎮守府将軍に叙せられた。その後、子孫は広く北関東一帯に繁栄したが、中でも嫡流と目せられる小山氏の系統は勢力が強かった。鎌倉初期、小山氏の祖政光とその子供達は源頼朝に従って多大な功績を挙げ、下野で最大の豪族となった。政光の後は嫡男朝政が小山氏を継ぎ、次男宗政は長沼氏、三男朝光は結城氏の祖となり、これら三家を合わせて小山三家と称され、戦国時代終わりまで栄えた。長沼氏からは陸奥長沼氏や下野皆川氏の系統が出、結城氏からは白河結城氏(後の白川氏)が出るなど、北関東から東北地方にかけて一族が分布した。そうした内の長沼氏の系統の本貫の地がこの長沼城であった。
 城跡は現在では畑や宅地に変貌し、遺構は完全に湮滅して当時の縄張りを知ることはできない。ただ城跡の南に隣接すると思われる宗光寺の周囲には堀跡が残っており、長沼城築城以前の居館跡だったとされる。長沼氏の嫡流は室町時代前半には陸奥に移ったため、この地は早くにさびれたのだろう。今となってはかつての栄華を偲ぶよすがもない。

 お城評価(満点=五つ星):☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.363038/139.931037/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0f0
タグ:中世平城
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