SSブログ

戦国北条の一族 [雑感]

この冬の城巡りの目標の一つは北条系城郭を巡ることであった。

私の一番好きな戦国大名は、小田原北条氏である。
始まりは、NHK大河ドラマで武田信玄が流れていた時のこと。
杉良太郎演じる北条氏康が、めちゃくちゃかっこいい!
貫禄十分で、これぞ御館様。

それはともかく、
戦国下克上の動乱を自ら先頭に立って呼び込んだ一代の傑物、
北条早雲にはじまる北条氏には目を見張る優れた特徴がある。

一つは、高度な政治システムとそれに立脚した優れた内政である。
評定衆という合議体による政治決定システムは、
そのまま徳川幕府に引き継がれることになる。
また、他国より低い年貢率、目安箱による民意の吸収など、
何より民政面においてどこよりも革新的な戦国大名であった。

もう一つ、重要なことがある。
北条5代100年の治世において、
お家騒動が一度としてなかったのである。

中国北半を凌駕した金王朝の完顔氏がその草創期、
「兄弟叔姪、心を同じうし力を合わせて土彊を開き、絶えて猜忌の状なし。」
と史書にたたえられるが、
それはそのまま北条氏に当てはまる。

当主は嫡子にあらかじめ当主の座を譲って隠居し、
嫡庶の区別を明確にしたため後継争いが起こることはなかった。
兄弟は一丸となって宗家を助け、一度として反を謀ることがない。
あの小田原の役の苦境にあっても、である。
ゆえに領国は安定し、
謙信亡き後の後継争いに揺れる越後や、
代替りでの家臣団の移譲に失敗した甲斐を尻目に、
着々と勢力を拡げ続けた。
関八州の制圧に、あと一歩のところまできていたのである。

武田勝頼が、上杉景勝の支援さえしなければ、
歴史の行方は大きく変わっていただろう。

北条氏は新興勢力ながら関東戦国の動乱期を、
軍政両面で常にリードしていたのである。
nice!(3)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 3

コメント 2

ノリパ

お家騒動がなかったとは、素晴らしいですね。どんな時代小説を
読んでもお家騒動の話ばかりですから。
by ノリパ (2009-03-29 19:24) 

アテンザ23Z

>ノリパさん

北条氏が秀吉とうまくやっていたら、
関東の歴史は様変わりしていたと思います。
あー、かえすがえすも残念!
by アテンザ23Z (2009-03-29 21:57) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

トラックバック 0