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花古屋城(長野県上田市) [古城めぐり(長野)]

DSC09250.JPG←本郭虎口の石垣
 花古屋城は、北信濃の戦国大名村上氏が築いた太郎山城塞群の一つで、太郎山山頂から南東に伸びる尾根の先端に築かれている。城名は端(はな)の小屋から来ていると言う。
 本郭の比高は150m程で、太郎山城塞群の中では低い部類に入る。しかも登山道がきちんと整備されているのがうれしい。そのため大した苦労もせずに城域に到達することができる。尾根の東に登り口があるが、登り口の目の前にぽっかりと口をあけた大きな溝が、実は花古屋城の巨大な竪堀なのである。ジグザクに登山道を登るが、この道は花古屋城の2本の竪堀の間に作られた道になっている。
 花古屋城は、太郎山城塞群の中では飯綱城に次ぐほど全長は長い。しかし飯綱城に較べれば普請はやや小規模で、本郭・ニノ郭辺りの切岸の高低差が大きいほかは、段々の段曲輪がひたすら続くだけの単純な縄張である。段曲輪群の中に堀切もあることはあるが、埋もれているのかかなり浅くなっている。一方で、本郭背後に掘られた堀切から伸びる竪堀は、前述した通り山腹を突っ切る長いもので、規模も大きい。また本郭背後の西側には二重竪堀も造られている。本郭は非常に小さく、物見程度の役目しか果たさなかったことが推定され、この本郭は面白いことに真ん中がえぐられた様に掘り込まれて周囲を土塁で防御されている。本郭・ニノ郭周囲には石垣が散見され、土塁の補強をしていたことが見て取れる。特に本郭は、往時は全周石垣だったものと考えられる。
 全体の普請の規模や築城構想からすると、やはり飯綱城が太郎山城塞群の中核であったと思われるが、それなりの兵を詰めることのできる花古屋城も、太郎山系の東を押さえる重要な城として、砥石城などと連携していたと考えられる。
山腹を縦貫する竪堀→DSC09213.JPG
DSC09315.JPG本郭背後西側の二重竪堀

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.422013/138.261025/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1
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ノリパ

長野のお城ですね。行きたいです。
by ノリパ (2009-08-16 14:21) 

アテンザ23Z

>ノリパさん
そーなんですよ、これが長野のお城です!
埋もれた石垣が、何ともたまりません。
by アテンザ23Z (2009-08-18 02:07) 

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