岡部氏館（埼玉県深谷市）

←物見台跡
　岡部氏館は、岡部六弥太忠澄館とも呼ばれ、源平の争乱において武勇で名高い岡部六弥太忠澄の居館跡である。忠澄は武蔵七党の一、猪俣党の出身である。猪俣野兵衛時範の孫、六太夫忠綱が岡部に入部して岡部氏を称した。忠澄は忠綱の孫に当たり、源義朝の家人となって、保元・平治の乱で活躍し、殊に待賢門の戦いでは熊谷次郎直実、斎藤別当実盛、猪俣小平六等源氏17騎の一人として勇名を馳せた。その後、源氏の没落によって雌伏を余儀なくされたが、1180年に関東で源頼朝が挙兵するとこれに従い、一の谷の合戦では平氏の名将平忠度を討って、一躍名を挙げた。
　岡部氏館は、普済寺の周辺一帯が館跡とされる。しかし遺構はほとんど宅地化と耕地化で湮滅している。わずかに物見台跡とされる高台や、土塁らしき遺構が残る。
　また、普済寺の北100m程のところには、忠澄とその一族の墓が大切に守られて残っている。北武蔵の坂東武者は、畠山重忠といい、猪俣小平六といい、今に至るまで慕われているのである。

　お城評価（満点=五つ星）：☆
　場所：https://maps.gsi.go.jp/#16/36.207325/139.251344/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f0

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