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高岡城(富山県高岡市) [古城めぐり(富山)]

IMG_6338.JPG←高岡城の広大な水堀
(2003年12月・2004年9月訪城)
 高岡城は、加賀前田家2代利長の築いた城である。利長は1598年に父利家の跡を継ぐと、徳川家康の謀略的圧力をかわし、1600年の関ヶ原合戦の際に北陸で生起した浅井畷の戦いで功を挙げ、加賀・能登・越中100万石の大大名の存続に成功した。1605年に庶弟の利常に家督を譲ると富山城に隠居したが、1609年3月に富山城が火災にあったため、新たに高岡城を築城した。城の縄張はキリシタン大名の高山右近が行った。1614年に利長が死去すると翌年廃城となった。
 高岡城は広大な城域を持つ平城で、近世城郭らしく広々とした水堀に囲繞されている。この城の縄張は非常に珍しく、ほぼ長方形の曲輪を縦横に並べた形をしており、全体も概ね長方形の形状となっている。曲輪間は土橋で連結され、土橋の一部には当時の石垣が残存している。堀は直線的に掘られている為、横矢はほとんど掛かっておらず、その分戦闘的な縄張とは無縁である。また各曲輪の虎口は後世改変されたのか、特に工夫された様子はない。水を満々と湛えた広大な堀がかなりの防御性を発揮するとは言っても、もはや豊臣氏の下を離れて徳川氏への恭順を決めた後に築かれた、太平の世の城なのであろう。
 現在は古城公園として整備されており、各曲輪には体育館や市民会館が建てられている為、幾分の破壊を受けているものと考えられる。しかし江戸初期に廃城になったにも関わらず、近代の市街化でも大きく破壊されることなくほとんど無傷で残った、屈指の平城である。
土橋に残る石垣→IMG_6331.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/36.749080/137.020830/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f0


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ノリパ

縄張りがすごいところらしいですよね。いつかいきたいです。
いろいろと残っているんですね。楽しみです。
by ノリパ (2010-04-03 20:27) 

アテンザ23Z

>ノリパさん
街中の平城でこれだけ遺構がほぼ全域で残っている城は少ないでしょう。
廃城後も前田家はこれを密かに維持し続けましたが、
これも3代利常が、兄利長を追慕していたからかもしれません。
by アテンザ23Z (2010-04-04 15:05) 

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