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リュウガイ城(埼玉県飯能市) [古城めぐり(埼玉)]

DSC08551.JPG←主郭手前の堀切
 リュウガイ城は、歴史不詳の城である。リュウガイとは本来、龍ヶ谷と書くのだろう。いわゆる要害の意味である。埼玉には「リュウガイ城」と言う名の城があちこちにあるので、ネット上では「妻沢リュウガイ城」とか「原市場のリュウガイ城」などとも表記されている。

 事前のネットでの調査では、東に続く尾根筋の中屋敷から延々と登ってくるのが最も困難が少ないそうだが、あまりに時間が掛かり過ぎる為、北の尾根筋から直登することにした。幸い北尾根には東電の鉄塔(奥秩父線53号鉄塔)があり、そこまでは保守用の道が整備されているので、取り付きはしやすい。結局これが最も近道でそれほど苦労もしないことがわかった。但し鉄塔周りだけ茨が群生しているので、注意しなければならない。茨を越えれば後はわずかな踏み跡の残る尾根筋を直登すれば、比較的容易に城に到達することができる。比高は150m程で、熊の出没確率が高い地域らしい。私は例によって恐る恐る一人で登ったが、あくまで自己責任で行って欲しい。

 標高382mの山頂に築かれた城は規模はそれほど大きくはないが、竪堀と馬出しを組み合わせた巧妙な形状の大手虎口や、主要な曲輪を分断する堀切、腰曲輪など、なかなか小技の効いた縄張である。しかし西に続く尾根筋には堀切がないなど、防御性が不十分な部分も見られ、やや中途半端な印象も拭えない。大手は東に開いているが、東麓の原市場地区や中屋敷地区まではかなりの距離があるので、いざと言うときの緊急避難的な用途で作られた城だったのかもしれない。

 城の雰囲気は、どことなく青山城に似ているという印象を持ったが、そうだとすると、扇谷上杉氏の築いた城だった可能性もある。であれば、技巧を凝らした虎口構造もうなずけよう。あくまで個人的な推測であるが。
屈曲する大手虎口→DSC08536.JPG
DSC08582.JPG←二ノ郭南側の段曲輪と横堀

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/35.867926/139.215370/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f0
タグ:中世山城
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