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松野南城(栃木県那珂川町) [古城めぐり(栃木)]

DSC09909.JPG←北曲輪群の堀切と土塁
 松野南城は、宇都宮氏の一族松野氏の本城である。松野氏の事跡は松野北城の項に記載する。松野氏は、その動静だけでなく、城の作り方も武茂氏との共通点が多く、松野城も武茂城と同じく谷筋を挟んで2つの城が並立する形となっている。城間川を挟んで北に出城に当たる松野北城があり、南に本城の松野南城がある。
 松野南城は、山城ではあるが城域はかなり広く、宇都宮氏の庶流とはいえ松野氏の勢威の大きさを感じさせる。東西の二つの尾根に曲輪群を配置し、その間の谷間に数段の平坦地を設けている。この平坦地には、明確な虎口土塁が確認できる。西の支尾根上の曲輪は細長く、堀切も1本しかなく、谷間の平坦地を防衛するだけの役目であったろう。城の中心部は東の尾根で、最上部に広い主郭を置き、周囲の尾根につながる部分は全て堀切で分断している。主郭の北端には土壇があるが、櫓台にしては規模が小さすぎるので、祭壇などの祭祀的目的のものであろう。主郭から北尾根と南尾根にはそれぞれ曲輪群を連ね、曲輪間は全て堀切で分断し、一部には土塁を設けて防御性を高めている。そしてそれぞれの尾根の先端には物見台的な曲輪を設けて城域の先端としている。南尾根の堀切は尾根西側に付随する帯曲輪に連絡しているようだ。そしてこれらの堀切は先端に行くほど規模が小さくなっていて、城造りも息切れ気味のようである。
 松野南城はかなり広い城であるが、縄張りは松野北城より変化に欠け、単に堀切で遮断して曲輪を連ねているだけのように思える。但し、執拗とも思える堀切遮断はなかなか見事ではある。
主郭の土壇→DSC09883.JPG
DSC09980.JPG←南曲輪群の堀切

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.698292/140.173284/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1
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