新田神社（愛媛県伊予市）

　新田神社は、脇屋義助の嫡男義治を祀った神社である。両新田神社の項で記載した通り、脇屋義治は新田義貞の甥に当たり、伊予に逃れてきたと言う伝承があるが定かではない。この伊予大平地区の伝承では、義治は病気にかかり、死ぬ前に方々に兜や弓矢を埋めたと言う。兜を埋めたところが「兜谷」、小手を埋めたところが「小手谷」、弓矢を捨てたところが「弓矢ヶ淵」と言い伝えられているそうである。
　現在、神社がある以外には特に五輪塔などの古風な墓を周囲に見ることは出来ない。由来なども両新田神社ほど詳しく書かれておらず、拍子抜けである。またなぜか、神社には新撰組隊士らしき絵が掲げてあった。いずれにしても四国には新田義宗・脇屋義治にまつわる伝承が各地に残っているようで、数十ヶ所に及ぶらしい。これも地下に隠れ潜んだ南朝残党の残した残影だったのだろうか。

　場所：http://maps.gsi.go.jp/#16/33.716005/132.704340/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1