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ゲルギエフ/ロンドン交響楽団来日コンサート2010 [クラシック音楽]

昨日、文京区役所隣のシビックホールで、
諏訪内晶子をソリストに迎えて、ゲルギエフ/ロンドン響のコンサートがあった。
曲目は、シベリウスのヴァイオリン協奏曲と、マーラーの交響曲第5番である。

諏訪内の演奏を聞くのは、
10年近く前に宇都宮でデュトワ/モントリオール響のコンサートで聴いて以来である。
そのときのブルッフのスコットランド幻想曲の演奏は、今でも忘れ難い演奏の一つだ。

シベリウスのヴァイオリン協奏曲は、
まずシベリウス特有の北欧の冷たい朝を思わせるような弦の響きから始まり、
諏訪内のヴァイオリンがそこに重ねられてくる。
諏訪内は音に艶もあり伸びやかな演奏だ。
ただ残念なことに、シベリウスのヴァイオリン協奏曲は、
個人的に特に思い入れのある曲ではなかったので、
スコットランド幻想曲を聴いたときほどの感銘はなかった。

なおアンコールはバッハの無伴奏だった。
諏訪内のバッハって一度通しで聴いてみたい。

一方、今回コンサート初体験となるマーラー。
CDで聴くのと実際で聴くのと、これ程印象が違う曲は初めてだった。
マーラーの遊びと言うか、テクニックと言うか、
音楽的技法が現代的で非常に優れていることがよく分かった。
非常に音を立体的に組み立てており、
金管の弱音を奏でたり、木管と弦の掛け合いをしたりすると、
その立体感がことさらに際立っていた。

そういう意味で出色だったのは第3楽章と第5楽章で、
マーラーの音楽的な遊びが見事だった。
CDだとあんなに平板にしか聞こえてこないのに・・・。
個人的には素直に好きになれないマーラーだが(決して嫌いなわけではないが)、
コンサートでの初マーラーが5番だったのは正解だったかもしれない。

ゲルギエフは、微妙なテンポの揺れやアクセントの変化、
そして前述のような音の立体感を、
オケを自在にドライブして表現しており見事と言うほかはなかった。
正直、マーラーがこれ程面白い曲だとは知らなかった。
その素晴らしい指揮のせいもあって、目からうろこ、である。
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