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御所山城(神奈川県小田原市) [古城めぐり(神奈川)]

DSC07242.JPG←西郭の桝形虎口
 御所山(みところやま)城は、歴史不詳の城である。1984年に発見された城で、伝承などは皆無である。豊臣秀吉が1590年の小田原の役の際に使ったとされる太閤道のそばに築かれた城なので、小田原の役の際に秀吉方の陣城として築かれたという説がある。しかし、太閤道自体は古くから使われていた道らしいので、塔ノ峰城湯坂城浜居場城と同様に元々大森氏や小田原北条氏によって築かれた城だったのではないかとも考えられている。

 御所山城は、歴史不詳ながら優れた遺構を持っている。城の中枢部は西郭と東郭に分かれており、それぞれに明確な桝形虎口が付随している。それらの周囲は腰曲輪で防御し、太閤道からの登城道は、あちこちを屈曲させて横矢を掛けており、城自体は小さいがかなり小技の利いた技巧的な縄張りとなっている。また、登城道途中には側方に櫓台を設け、更に2本の横堀で側方斜面からの侵入を阻んでいる。この辺りには小石が散乱しており、石積みがあった可能性がある。一方、城中枢部の西郭背後には堀切があり、堀底がでこぼこしているので、畝堀であった可能性もある。堀切の西側は自然地形であるが、割と平坦な地形で、なぜここに曲輪を設けなかったのか、疑問の余地も残る。築城途中で放棄したかの様な中途半端な縄張りにも感じられる。この地からは遥かに小田原の街並みが見え、古道を押さえる要衝として重視されたことが伺われる。豊臣方の築いた陣城にしては小田原城から離れ過ぎており、やや疑問の余地が残る。築城者についての議論は、今後の検証を待ちたい。

 尚、以前は薮がひどかったようだが、現在は箱根ターンパイクからの登城道が整備され始めており、あまり藪漕ぎをせずに楽に城まで到達することができる。
登城道脇櫓台の横堀→DSC07320.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.203129/139.086968/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1
タグ:中世山城
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