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日本の弱点 [雑感]

福島原発事故時の対応の混乱やその後の対策では、
日本の技術に対する信頼性を揺るがせるに十分なものであったが、
技術的には優秀な日本がなぜこのような醜態を晒すのか、
今ひとつ納得できずにきていた。

十分な技術はあるはずなのに、
なぜ海外に頼らないと何も出来ないのか?と。

最近、その理由がわかってきた。
最近仕事の上で次のような実例があった。

工場で使用する電気を確保するため、
重電メーカーなどと何度か発電設備の導入について接触したのだが、
日本のあるメーカーは、納期は1年以上という回答。
その理由は、あるユニットが震災影響ですぐに手に入らないからだという。

そのユニットだけ、海外製のものを輸入して組み合わせられないかと聞くと、
保証できないからできないと言う。

じゃあ、金が余分に掛かってもいいから、
最初は海外製のユニットで立ち上げて、
あとから正規の日本製のものに替えることで納期早められないかと聞くと、
やったことがないからできないと言う。

一方、海外メーカーは、納期3ヶ月とか、
テンポラリーのものならば1ヶ月で立ち上げ可能という。

同じ機械、同じ技術を扱っていて、この差、である。

わかってきたことは、日本は個々の技術は優秀だが、
いざという時にそれを迅速に運用できる「機動力」がないのである。

先述の東大アイソトープ総合センター長の児玉龍彦教授の提言でも、
低レベル放射線に関する内部被曝・外部被曝の影響について、
これほどの知見や研究成果があるのに、
それを政策面で反映し、実地展開できない。

平時に要求される「保証」とか「確実性」に縛られて、
合理的で迅速果断な決断が日本人にはできない。

口では「非常時」と言いながら、
実際には「平時」の頭で判断する。

政府や官僚のことばかり、「平時」の頭で考えてると皆批判するが、
企業やそこで働く我々も実は同じなのである。

これこそが日本人の弱点なんだろうと
ようやく最近わかってきた。
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evergreen

私はソフトウエア開発をしていますが、最近のレベル低下は目を覆いたく状況です。
けして技術力が低下している訳ではなく、顧客に対する提案ができなくなっているのです。

商品開発というものは、技術的正しさと要求とのせめぎ合いだと思っています。
それがなくなれば、要求の為に、技術的劣化を起こしてしまいます。

本当にユーザーのためになる事、顧客ニーズを満たす事、
当たり前の事が出来なくなっています。

日本人はいままで、賃金を得るためには、
いろいろな我慢をしてきました。
それがいつの間にか、間違った事まで受け入れる体質になってしまったのでしょう。
全ては、事なかれ主義のためですね。
これは日本に蔓延する病巣だと思います。

by evergreen (2011-08-24 10:12) 

アテンザ23Z

>evergreenさん
私の会社でも同じ状況です。
相手の意図を理解して、相手の要求以上の提案をすることができないメンバーが増えています。

一つには、広い世界を知らないこともあるのだと思っています。
そうゆう人は、狭い会社の中ばかりにいて、
それで満足してしまっているのでしょう。

でももっとほかの会社や、それこそ世界のフィールドに立てば、
それではダメだと気付くのですが・・・。

事なかれ主義は、会社の上の方に多いですね。
そうゆう人ばかり出世が早いので、
いつの間にか上の方は事なかれ主義の人ばかりになって、
肝心の時に決断できる人がいません。
困ったものです。
by アテンザ23Z (2011-08-24 23:29) 

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