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本立寺付城(静岡県伊豆の国市) [古城めぐり(静岡)]

DSC08122.JPG←横矢の掛かる土塁
 本立寺付城は、小田原の役における韮山城攻囲戦の際に、阿波徳島城主蜂須賀家政が築いた付城である。家政の父、蜂須賀小六正勝は、有子山城主前野長康と並ぶ豊臣秀吉の最古参の家臣で、小田原の役に先立って他界しており、家政は父の生前から既に阿波一国を与えられて豊臣大名として自立していた。家政の築いた本立寺付城は、上山田山付城の北方の比高140m程の山上に築かれており、この周辺一帯の山中に豊臣方の築いた付城群の中では上山田山付城に次ぐ高所に位置しており、蜂須賀家の豊臣家臣団中での厚遇を示しているように思われる。

 本立寺付城は、七面堂の建てられた山上に主郭を置き、そこから北西と南西に伸びる尾根筋に長城形式で築かれた陣城である。山上は連郭式の縄張りで、主郭の西側に井戸跡の残るニノ郭と、主郭背後の尾根上に物見台を配置し、背後を堀切で防御している。主郭から南西に伸びる尾根には見事な長土塁が築かれ、要所を屈曲させて横矢を掛け、更に隅櫓を置いて守りを固めていたことが明瞭に確認できる。また北西と南西の2つの尾根上には、土塁で囲まれた小郭(砦)を分散して配置している。この他、虎口遺構も明瞭で、特に南西尾根の先に構えられた南虎口は土塁とその手前の竪堀がはっきりと残っている。この虎口の両側の土塁は位置が僅かにズレており、食違い虎口だった様だ。一方で段曲輪群は少なく、長期攻囲戦の陣城としての居住性は、あまり良くなかったのではないかと想像される。全体的には昌渓院付城に似た構成の様である。
南虎口→DSC08093.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/35.052484/138.966397/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1
タグ:陣城
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