田代砦（静岡県伊豆市）

←主郭～ニノ郭間の堀切
　田代砦は、鎌倉時代に源頼朝麾下の知将として名を馳せた田代冠者信綱が築いた砦である。信綱は狩野城主狩野茂光の孫で、蛭ヶ小島に配流されていた頼朝に仕え、鎌倉幕府成立後は田代郷の地頭職となり、この地に居を構えたと言う。

　田代砦は、比高20m程の尾根の先端に築かれており、入口に標柱・解説板と登道も付いているので、簡単に登ることができる。直線状に並んだ3つの曲輪を2つの堀切で分断しただけの簡素な構造の砦である。堀切はいずれも明瞭である。先端の曲輪が主郭だったと思われ、背後に土塁を築き、その脇をすり抜けるように虎口が設けられている。最も南の三ノ郭は、背後に続く斜面の手前に1段の土壇を伴っており、櫓台だったと思われる。鎌倉時代初期の城らしく極めて簡素な構造であるが、遺構が明瞭で興味深い。

　お城評価（満点=五つ星）：☆☆
　場所：http://maps.gsi.go.jp/#16/34.967008/138.967513/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0

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