SSブログ

大平古城(静岡県函南町) [古城めぐり(静岡)]

DSC01228.JPG←ニノ郭の枡形虎口
 大平古城は、大平新城より110m程高所に築かれた城である。大平新城から大平山・鷲頭山を経由して西の獅子浜城に繋がる稜線上に位置している。1998年に新発見された城である為、その歴史は一切不明であるが、その遺構と位置関係から考えれば、まず間違いなく小田原北条氏の城であったと考えられる。

 大平古城は、標高140mの山稜上に築かれている。大平新城から大平山に向かう尾根筋から東に張り出した平坦な峰の上に、櫓台を備えた主郭を置き、その北にニノ郭、西側に三ノ郭を構えている。ニノ郭東側には、小規模であるが明確な枡形虎口が築かれ、櫓門の土壇が虎口の内外に構えられている。その外側に2段の腰曲輪がある。三ノ郭は北側外周に土塁が構えられ、ここから西に降る尾根筋には2本の堀切が穿たれている。一方、大平新城から大平古城に至る尾根にも遺構がある。小峰の上に築かれた数段の曲輪を築いた砦があり、その南側の鞍部には、土橋の架かった鋭く刻まれた堀切がある。その上に登って行くと、数段の段曲輪群も構築されている。大平古城は、名称は便宜上「古城」とは言うものの、櫓門の虎口を備えた縄張りで、戦国後期の城郭であったと考えられる。これほど明瞭で良好な遺構の城が新しく発見された城とは、驚くばかりである。

 尚、大平古城が、大平新城と獅子浜城の間を繋ぐ稜線上に築かれた位置関係からすれば、丁度、一つの稜線上に三津城三津城北砦三津新城と幾つもの城砦が築かれたように、この稜線上にも中継基地となる城砦があるのではないかと推測される。一度、じっくり時間を掛けて探索すれば、未発見の城砦が確認できるかもしれない。
大平新城との間の堀切→DSC01163.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/35.066017/138.916014/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0
nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント