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大網山城(栃木県佐野市) [古城めぐり(栃木)]

DSC05021.JPG←枡形虎口
 大網山城は、沢を隔てた唐沢山城南東方向の、標高160m、比高100mの山稜上に築かれている。城の位置は標高170mのピーク部よりやや南にズレた小ピーク上にあり、南から東にかけての眺望が開けた位置にあることから、唐沢山城防衛の支城として、物見の死角を補う役目もあったと考えられる。

 大網山城は、単純な直線連郭式の山城であるが、しっかりと穿たれた堀切が極めて良好に残っている。山頂の主郭は比較的広く、中央東寄りに一段高い方形の曲輪があり、その西・北・南の三方に腰曲輪を巡らしている。特に南側は傾斜しているが広めに取られて兵の駐屯を可能としており、その前面下方にも更に帯郭が構築されている。主郭南腰曲輪には切通し状の坂虎口があり、前述の帯郭を左に眺めつつ降っていくと、その前には馬出し状の小郭があり、枡形虎口が構築されている。この虎口を出ると、馬出し前面は堀切を介して台形状の三ノ郭に繋がり、三ノ郭の先にも堀切があって広い尾根に続いている。この南の尾根は明確な造作こそないものの、馬場か何かとして使われていた様で、その先のやや離れた場所にも浅い堀切があって城域が終わっている。一方、主郭背後(北側)は堀切を介して狭いニノ郭に繋がっている。ニノ郭に繋がる土橋への動線には横矢が掛かっている。この城では、全ての堀切に土橋があるのも特徴的である。また、佐野氏系城郭にしては枡形や横矢などが特徴的で、北条氏忠入嗣後に北条氏の築城技術が取り入れられた可能性がある。また栃木の里山にしては珍しく、綺麗に薮が取り払われて間伐されており、遺構の確認がしやすい。私は、西側の沼のある谷戸から斜面を直登したが、南尾根筋に登山道があるようである。
主郭~ニノ郭間の堀切・土橋→DSC05003.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/36.343484/139.612316/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0
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