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小見城(栃木県佐野市) [古城めぐり(栃木)]

DSC02877.JPG←庭先にかすかに残る土塁跡
 小見城は、永正年間(1504~12年)に唐沢山城主佐野盛綱の次男小見次郎左衛門尉是綱が、小見郷に入部して小見氏を称し、小見城を築城したと伝えられている。興聖寺城(清水城)の南西900m弱の至近距離に位置し、足利長尾氏に対する唐沢山城西側の防衛線の一翼を担ったものと推測される。江戸時代に佐野氏が改易されると、小見氏も帰農して廃城になったと思われる。

 小見城は、現在でも城主後裔の小見氏の宅地となっている。位置の見当をつけて訪城した際、たまたま庭仕事をされていたご当主の方からお話を伺うことができ、城の位置が確定できた。お話では、残念ながら土塁は先年崩してしまったそうである。そのため現在は遺構は残っていない。庭の隅に、竹が生えているわずかな土盛りが土塁の名残りだとのことである。かつて土塁があった場所は、現在椿の生垣となっているが、これは数百年前からのものだそうだ。GoogleMapなどの航空写真では、この生垣が堀跡の水路の様に見えたので、城址位置が推測できたのであった。この他にも、家に伝わる小見氏帰農後の古文書などを多数拝見させていただくことができた。面白いものでは、明治初期の戸籍とか、年貢の減免願いの文書などもあった。佐野市の教育委員会が、これらの古文書を借りたこともあるそうである。きっと、佐野市史などの資料集に、「小見氏文書」として掲載されているのだろう。残念ながら遺構は湮滅してしまったが、こうして戦国時代の歴史が今でも息づいているのを見ると、非常に嬉しくなる。いろいろとご親切に教えて頂いたご当主の方には、この場を借りてお礼を申し上げたい。
小見城址の現況遠望→DSC02883.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆(有益な話を伺えたので☆1つ加点)
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/36.346310/139.567083/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0
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