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清水袋城(静岡県静岡市清水区) [古城めぐり(静岡)]

DSC04622.JPG←城址付近の現況
 清水袋城は、清水城とも呼ばれ、駿河を制圧した甲斐武田氏の水軍城である。1568年に三国同盟を破棄して駿河に攻め込んだ武田信玄は、小田原北条氏が伊豆に組織していた北条水軍による側背からの攻撃に対処するため、水軍を編成する必要に迫られた。そこで1569年頃に馬場美濃守信房に命じて、巴川口に清水袋城を築かせたと言われている。こうして組織された武田水軍ではあったが、その規模はささやかなもので、西国の九鬼水軍や毛利水軍はもとより、北条水軍と比べても軍船の質量共に劣り、1580年の伊豆重須での戦いでも、長浜城を拠点とする北条水軍が終始優勢であった。1582年の武田氏滅亡後は、武田水軍はそのまま徳川水軍となり、清水袋城も徳川氏の持ち城となった。1590年に、徳川氏が江戸に移封となると、駿河府中に豊臣秀吉の家臣中村一氏が入部し、清水袋城に関船を置いて支配した。後に徳川家康が江戸に開幕し、駿府城に隠居すると、清水袋城はその存在価値を失い、1614年に廃城となって町屋が建設された。

 清水袋城は、早くに取り壊された為、既にその遺構はない。巴川口を埋め立てて扇形状に突出して城地を造り、陸地に接する部分に大手門と角馬出し設け、川側に船溜まりを設けた構造であったらしいが、現状からでは想像するのも困難である。わずかに上総稲荷神社の脇に「旧袋城の石」と書かれた石が残っているだけである。

 お城評価(満点=五つ星):☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.008540/138.488942/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0
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