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八幡山城(静岡県静岡市駿河区) [古城めぐり(静岡)]

DSC00636.JPG←主郭周囲の腰曲輪群
 八幡山城は、1411年頃に駿河府中に入った駿河守護今川範政が、居館の府中館を防衛する城砦群の一つとして築いたとされるが定かではない。1476年の今川義忠の塩買坂での討死によって生起した、竜王丸(後の氏親)家督継承を巡る内紛の際には、内紛への介入のため関東の扇ヶ谷上杉氏から派遣された太田道灌がこの山に陣取ったと言われている。またこの時、龍王丸後見の伊勢新九郎長氏(北条早雲)が、府中を占拠していた小鹿範満に対抗するために築いた陣場ともされるが、近年の研究ではこの時点での長氏の駿河下向には否定的見解が出ている。時代は下って1568年の武田信玄による駿河侵攻の際には、武田勢がやはりこの山に陣取ったと『甲陽軍鑑』に記載されていると言う。

 八幡山城は、駿府城の南東約2kmに位置する標高63.5mの八幡山に築かれた城である。隣接する有東砦と共に、駿河府中に入る久能街道の押さえとなっていたと推測されている。現在は公園化されている為、改変が多く明確な遺構には乏しいが、南東に伸びる尾根上には公園に登る道沿いに段曲輪群が構築され、主郭周囲にも腰曲輪らしい平場が何段も残っている。主郭には櫓台状の土壇も備わっているが、郭内は全体に削平が甘く、どこまで遺構なのかは判然としない。同じく府中館を防衛する城砦群の一つであった愛宕山城と比べると、古い形態の簡素な山城であった様である。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/34.970023/138.402532/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0
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