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倉真城(静岡県掛川市) [古城めぐり(静岡)]

DSC09680.JPG←西側の空堀跡
 倉真城は、歴史不詳の城である。わずかに『世楽院略記』に、城主松浦兵庫頭が1497年11月に戦乱の城内で自刃したことが記されているだけである。
 倉真城は、倉真川西岸の比高30m程の台地上に築かれた城で、主郭には世楽院が建っている。訪城した時は、幸いなことにご住職に案内をしていただけた。本堂の西側には土塁が残り、更にその西から南にかけて、空堀跡が残っている。堀の北半分は埋められているが形状ははっきりしている。南半分は水が貯められて池となっている。境内にある市の指定保存樹木である「さざんか」は、杉の木と共に樹齢500年だそうで、ここに城があった当時から残っている樹だそうである。また境内の井戸も、昔からのものらしい。主郭の南東に伸びる台地上のニノ郭は、茶畑になっているが後継者がいなくて、現在は耕作放棄してしまっている。寺の背後の地形は急峻な谷戸で、明確な塁線を伴っている。城から東に50m程離れて高台があり、「松浦兵庫頭城跡」の石碑が建っているが、ここは御殿跡だそうだ。この他、世楽院の庫裏内に掲げられている扁額を見せていただいたが、これは「弥次喜多」で有名な『東海道中膝栗毛』を書いた十返舎一九が、一宿一飯のお礼に残していったものとのことであった。城巡りもさることながら、聞かせていただけた色々な話が楽しかった。この場を借りて御礼申し上げます。
石碑の建つ御殿跡の高台→DSC09709.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/34.816977/138.029904/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0
タグ:中世平山城
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