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薬師寺城(栃木県下野市) [古城めぐり(栃木)]

DSC00697.JPG←堀跡付近の全景
(2006年9月訪城)
 薬師寺城は、下野有数の豪族小山氏の庶流薬師寺氏の居城である。鎌倉時代前期に小山朝政の孫朝村が薬師寺郷を領して薬師寺氏を称し、薬師寺城を築いたとされる。薬師寺氏は当初、宗家である小山氏に属していたが、南北朝時代には6代公義が足利尊氏の執事高師直の側近となったことが、太平記に記載されている。尊氏の弟直義と師直が激しく争った観応の擾乱では、公義は尊氏・師直方として奮戦したが、摂津打出浜の戦いで尊氏・師直方が敗れ、公義は徹底抗戦を主張したものの容れられず、世をはかなんで出家して高野山に登った。その後間もなく帰国した公義は武門に戻り、宇都宮氏を誘って駿河薩埵山の合戦に参陣した。その後薬師寺氏は宇都宮氏に属し、13代貞村は1549年の五月女坂の戦いなどに宇都宮方として参加した。廃城時期は不明であるが、1597年の宇都宮氏改易の頃に廃城になったと推測されている。
 薬師寺城は、自治医大の東方0.7kmに位置する平城である。国土変遷アーカイブの昭和20年代初頭の航空写真を見ると、回字状の堀と土塁跡が明瞭に残っているが、現在は湮滅が進み、ほとんど畑と雑木林に変貌している。わずかに北辺の堀跡が200m程に渡って残っているだけである。せめてこの堀跡だけでも、長く後世に残してもらいたい。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/36.398297/139.868435/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0
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