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中尾生城(静岡県浜松市天竜区) [古城めぐり(静岡)]

DSC01138.JPG←主郭下方の横堀
 中尾生城は、中日向城とも記載され、今川氏の北遠江における拠点の一つである。伝承によれば、南北朝時代に犬居城主天野氏の出城として築かれたとされるが、定かではない。戦国期には、天方城掛川城二俣城光明城・犬居城等と共に、今川氏の北遠における拠点として重視された。1529年には二俣近江守が、また1535年には向坂(匂坂か?)長能が城主となり、1564年には奥山兵部丞・左近将監父子が今川氏真に城の普請を命じられている。その後の歴史は不明で、今川氏が甲斐武田氏に滅ぼされると、そのまま廃城になったのかも知れない。
 中尾生城は、天竜川中流域西方の山間部、標高479mの山上に築かれた峻険な山城である。城山稲荷が鎮座した小規模な主郭と、その南東尾根の数段の曲輪で構成された小規模な城で、主郭の北西下部には1/3周ほどに渡って横堀が穿たれている。主郭は周囲との高低差が大きく、ほとんど切岸だけで防御されていた様である。その他の曲輪は削平が甘く、城域がどこまでかも明瞭ではない。山頂の南西に位置するピークは出丸と思われるが、植林等で損壊を受けており、ここも遺構が明瞭ではない。現存する遺構を見た限りでは、武田氏利用の形跡は確認できない。中尾生城は、位置が山奥で遠いし、途中まで車で登れるが、その先の登り道は入口付近以外には途中の標識がなく、分岐する山道の行き先に迷う。その割に大した遺構ではないので、あまりお勧めはしない。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/34.975474/137.805451/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0
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