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愛宕山楯(山形県金山町) [古城めぐり(山形)]

DSC04241.JPG←主郭
 愛宕山楯は、歴史不詳の山城である。金山城の南方1.2kmの位置にあり、その支城として最上氏によって、北の仙北小野寺氏や庄内の上杉勢に対する備えとして築かれたと推測される。

 愛宕山楯は、標高297m、比高130m程の愛宕山に築かれている。主郭に愛宕神社が祀られており、西麓から参道が整備されているので簡単に登ることができる。かなり複雑な縄張りを持った広い城で、大きく2つの城域に分かれ、愛宕神社が鎮座した主郭を中心とする主城部と、その北尾根に築かれた出丸部分とがある。まず主城部は、主郭と北のニノ郭があり、その間は二重の横堀で分断されている。2つの曲輪とも多くの腰曲輪が廻らされ、竪堀を兼ねた虎口が数ヶ所開かれている。主郭の西側と東側にはそれぞれ横堀と連携させた小型の畝状竪堀が穿たれ、かなり技巧的な構造となっている。また主郭とニノ郭の間の二重横堀には、横堀と虎口を巧みに組み合わせた小枡形が築かれている。主郭南西側には、コの字形の堀で囲まれた独立孤塁や、斜面に沿って段状に構築された三重横堀も確認できる。一方、北の出丸部分は、緩斜面を介して主城部からやや離れており、やはり腰曲輪が数段構えられている。出丸北東の腰曲輪には堀切と竪堀も穿たれている。遺構は比較的よく残っているが、切り払われた枝が散乱し、埋もれかけている部分もあって、遺構が確認しづらい部分も多い。
 愛宕山楯は構造も複雑で城域も広く、金山城より30m程高所に位置しているので、こちらが本当の金山城ではなかったかとする説が出るのもうなずける。
三重横堀の一つ→DSC04277.JPG
DSC04095.JPG←小さな畝状竪堀
 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/38.874229/140.340546/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0

※東北地方では、堀切や畝状竪堀などで防御された完全な山城も「館」と呼ばれますが、関東その他の地方で所謂「館」と称される平地の居館と趣が異なるため、両者を区別する都合上、当ブログでは山城については「楯」の呼称を採用しています。
タグ:中世山城
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