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蛇ノ口楯(山形県米沢市) [古城めぐり(山形)]

IMG_1720.JPG←二重横堀
 蛇ノ口楯は、奥州の名族伊達氏の家臣、須藤備中守の夏館と言われている。北側山麓に冬館とされる樋口館があり、蛇ノ口楯と一対となって機能したと考えられる。
 蛇ノ口楯は、羽黒川南岸にそびえる標高490m、比高170mの山上に築かれている。城への道は途絶しており、西の谷戸の林道から、適当な斜面に取り付いて直登した。蛇ノ口楯は、V字型の尾根に沿って曲輪群を展開した縄張りで、大きく東曲輪群と西曲輪群、更に東曲輪群の北東端に位置する物見郭群に大別される。いずれの曲輪も小規模で、しかもどの曲輪も削平が甘く、切岸も不明瞭で、かなり漠然としたイメージの城である。大手は西の谷筋からの道らしく、小規模な枡形虎口が構築され、この斜面に沿って二重横堀が穿たれて防御が固められている。また西曲輪群の先端西側にも小さな横堀が廻らされている。V字の接点に当たる場所には櫓台が築かれ、手前に1本、背後に前述の二重横堀から繋がる二重堀切で尾根筋を分断している。また北東端の物見台は、腰曲輪に取り巻かれた曲輪群を構成している。全体としてはパッとしない印象の城で、二重横堀・堀切だけが唯一の見所である。

 尚、夏館・冬館という置賜地方独特の呼び名があるが、雪深い置賜では山城は冬には機能させられず、麓の居館に本拠を置いたことによるのだろう。
西尾根の曲輪群→IMG_1693.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/37.855834/140.153236/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

※東北地方では、堀切や畝状竪堀などで防御された完全な山城も「館」と呼ばれますが、関東その他の地方で所謂「館」と称される平地の居館と趣が異なるため、両者を区別する都合上、当ブログでは山城については「楯」の呼称を採用しています。
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