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松子城 その1(千葉県成田市) [古城めぐり(千葉)]

IMG_5012.JPG←城址の現況
 松子城は、千葉氏の庶流大須賀氏の本城である。大須賀氏は、千葉常胤の4男大須賀四郎胤信を祖とし、松子城を本拠に、助崎城など東総地域に多くの支城を有していた。惣領家の松子大須賀氏は次第に有力国人領主として千葉宗家から独立する傾向を示す様になり、一方庶家の助崎大須賀氏は千葉宗家を支えて惣領家と並び立つ勢力を有した。1455年の享徳の乱の際には、関東管領山内上杉氏を支援する室町幕府から派遣された東常縁に付いた松子大須賀氏に対し、助崎大須賀氏は古河公方足利成氏に属し、政治的には二家は独立した勢力となっていた。しかし戦国時代に小田原北条氏の勢力が下総を圧すると、松子大須賀氏も千葉氏や助崎大須賀氏と共に北条氏に服属し、北条氏が滅亡すると大須賀氏も命運を共にした。

 松子城は、大須賀川西岸の台地上に築かれた城である。かつては有力国人領主の城らしい立派な遺構があった様で、昭和20年代の航空写真を見ると、ニノ郭の大空堀などもはっきりと確認できる。しかし現在は成田空港建設に伴う土取りで、遺構は完全に湮滅している。しかも削られた台地上は一面の畑と化しており、城址の痕跡は全く残っていない。他にも採土できる山はいくらでもあるだろうに、何でよりによってこうした歴史のある城のあった台地を削ったのか、疑問を感じざるを得ない。
 尚、帰ってからわかった話だが、城址北側に稲荷馬場と呼ばれる外郭があり、そこは往時のまま横堀などの遺構が残っているそうである。機会があれば再訪したい。

 お城評価(満点=五つ星):☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.835643/140.420415/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1

※その後の稲荷馬場の再訪記はこちら
タグ:中世平山城
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