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将監城(京都府綾部市) [古城めぐり(京都)]

IMG_7940.JPG←畝状竪堀
(2014年4月訪城)
 将監城は、高津城砦群の一つである。高津城主大槻氏の一族大槻将監の居城であったと言われており、谷戸を挟んで北東の山上に位置する高津城(八幡山城)を防衛する城として築かれたと思われる。

 将監城は、段山城の南に続く丘陵地帯の東に張り出した尾根上に築かれている。基本的には頂部から北東と東に伸びる2つの尾根上に曲輪を連ねた連郭式の縄張りであるが、要所を堀切で分断し、外周にハリネズミの様に多数の畝状竪堀を配した先鋭的な構造となっている。北東の尾根の先端部から小道が付いており、木戸跡と思われる土塁の先に広い曲輪が広がっている。ここでは仮にこれを四ノ郭としておく。四ノ郭の上部には、5段程の腰曲輪群が段状に築かれ、この北側に竪堀状の城道が付き、側方に小規模な畝状竪堀を穿っている。最上段は物見台となり、背後に堀切が穿たれて土橋で三ノ郭に繋がっている。三ノ郭の南斜面には城内通路を兼ねたと思われる竪堀があり、これを10m程降ると井戸曲輪があって直径3m程の大井戸があり、現在でも水を湛えている。三ノ郭の上には切岸で屹立するニノ郭がそびえている。ニノ郭・三ノ郭とも低土塁を備え、北側に腰曲輪と小規模な畝状竪堀を伴っている。ニノ郭背後は大堀切で遮断され、背後には物見状の小郭と二重堀切、土橋状の細尾根が続いている。この土橋の北側は二重横堀と畝状竪堀で防御されている。この付近の畝状竪堀は、山形(例えば要害森楯)にあったのと同じコブ状(連れはオムライス型と言っている)のものである。細尾根の先は主郭に繋がる緩斜面の曲輪で、この側方の畝状竪堀が城内で最も大型で見易く見応えがある。主郭は最高所にあり、背後を大堀切で遮断している。ここにも堀切から落ちる竪堀に沿って数本の竪堀が穿たれている。主郭背後の尾根には物見台状の土壇もある。主郭は東に伸びる尾根に築かれた細長の平坦な曲輪で、先端に小堀切と緩斜面の曲輪を置き、更に数ヶ所に堀切を穿ち土橋で連結して東端の小郭まで至って、城域が終わっている。この主郭から東に伸びる曲輪群の南斜面にも畝状竪堀がある様だが、藪が多くあまり明瞭ではない。将監城は、大槻氏の支城群の中でも特異な先鋭的縄張りを有しており、必見の城である。
畝状竪堀→IMG_7943.JPG
IMG_8028.JPG←そびえ立つニノ郭
大井戸→IMG_7892.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/35.293773/135.207492/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1
タグ:中世平山城
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