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中川原館(山形県米沢市) [古城めぐり(山形)]

IMG_2904.JPG←主郭の二重横堀の外堀
 中川原館は、歴史不詳の城館である。比高わずか5m程の台地辺縁部を利用して築かれた城館で、名称は「館」であるが、実際には「城」というべきものである。「田」字状に4つの曲輪を配し、北東が主郭となっている。主郭と南西の三ノ郭は畑に変貌しているが、遺構はよく残っており、特に主郭は西側から南側に掛けて二重横堀で囲まれている。二重横堀は、内堀は空堀だが、外堀は湧水があるのか水堀となっている。南側の水堀は横矢掛かりの屈曲を持ち、その外側にL字状土塁で囲まれた馬出しを備えていて、非常に見応えがある。この城で変わっているのは、普通台地辺縁部の城では台地先端や角に主郭を配置するが、この城ではわざわざ内側に主郭を配置して二重横堀で防御を厳重にしている点である。二ノ郭は藪であるが、堀沿いに土塁が築かれているのがわかる。その他の曲輪は、『山形県中世城館遺跡調査報告書』の縄張図では堀や土塁で区画されていた様だが、現状ではあまり明瞭ではない。いずれにしても、二重堀がしっかり残った平城で、なぜこれが無名で史跡指定もないのか、不思議でならない。米沢には他にも多数の良好な城郭遺構があるのだから、舘山城の国指定史跡化ばかりでなく、もっと他の史跡保護にも前向きに取り組むべきだと思う。
馬出しのL字状土塁→IMG_2965.JPG

お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/37.947632/140.136917/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1
タグ:中世平城
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