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城之山城(栃木県佐野市) [古城めぐり(栃木)]

IMG_9295.JPG←腰曲輪と山頂の主郭
 城之山城は、歴史不詳の城である。勢力圏的には佐野氏の領国内であるが、須花峠を通る古道を背後から扼する位置にあることから、天正年間(1573~92年)に須花峠を越えて佐野氏を攻撃した足利長尾氏が築いた可能性も考えられる。

 城之山城は、標高400m、比高270mの小ピークに築かれた城である。小規模であるが高低差が大きな縄張りで、普請は割り合いしっかりした城である。山頂の主郭は狭小で、ほとんど居住性は無いが、後部から西辺にかけて一段やや高くなっており、土塁と櫓台が築かれていた様である。主郭から斜面を降ると東尾根から西尾根までぐるっと巡る腰曲輪が築かれている。東尾根は更にその下にも2~3段の小さな腰曲輪が点在し、土橋の架かった小堀切の先が自然地形の平場となっている。一方、西尾根にも浅い掘切の先に自然地形に近い平場が広がっている。主郭の背後尾根には、合計3本の掘切が穿たれているが、主郭から遠ざかるに従って規模は小さくなっている。城之山城は普請の規模は小さいが、三方に伸びる尾根上に遺構が点在するため、全体での城域は広目になっている。その縄張りからすれば、須花坂を押さえる物見として機能した城と思われる。

 尚、城之山城が位置する山稜は北に伸び、標高490.5mの三角点のある山の北尾根には東西に貫通する峠道があり、この峠道の西麓には「中木戸」の地名があることから、この山稜上に城郭遺構があるのではないかと個人的に推測して尾根の縦走踏査を行ったが、結局何も見出すことはできず、南端のピークに位置するこの城跡しかなかった。又、この城への訪問に当たってはHP「儀一の城館旅」を参考にした。
北尾根の2本目の掘切→IMG_9256.JPG

お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/?ll=36.422552,139.498022&z=16&base=std&vs=c1j0l0u0
タグ:中世山城
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