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東山城(兵庫県篠山市) [古城めぐり(兵庫)]

IMG_4911.JPG←畝状竪堀
 東山城は、淀山城を本拠とした丹波の豪族波々伯部一族の城である。波々伯部氏の事績は淀山城の項に記載する。東山城は、波々伯部次郎左衛門光則の支族、民部丞光郷の子、兵庫助光興が大永年間(1521~27年)に築いたと言われている。その子光久は、東山城を更に堅固な城郭に大改修するなど、波々伯部氏は一族繁栄して屈指の土豪に成長したと言う。

 東山城は、淀山城のすぐ南東に位置する標高370m、比高110mの山上に築かれた城である。西麓に解説板が建ち、城まで登道が整備され、城内も綺麗に整備されている。小規模ながら戦国後期の技巧的築城技術が投入された縄張りを有している。主郭は周囲を低土塁で囲繞し、北・南西・東の三方に虎口を築いている。縄張りから考えると、南西のものが大手らしく、この虎口のみ石積み跡がわずかに確認できる。その下には6段の段曲輪群が展開しており、綺麗に整備されているため、上から見ると美しい6段曲輪の姿を眺めることができる。主郭の北には2つの小郭と掘切が築かれている。主郭東は、ニノ郭・三ノ郭が切岸だけで区画されており、三ノ郭は先端と北辺に土塁が築かれ、北辺の土塁の基底部には石列が確認できる。三ノ郭の先には大きな掘切が穿たれているが、この掘切から落ちる竪堀と並んで、南側斜面に3本の畝状竪堀が穿たれている。この畝状竪堀は規模が大きく見応えがある。前述の掘切の先は削平の甘い外郭で、南側に竪堀1本を穿ち、尾根の途中に土橋の架かった浅い掘切がある。その先のピークは「馬駆場」の名が残るが、特に明確な普請はなく、藪も多い。東山城は、端正かつ技巧的な姿を残す山城で、登り易いこともあって淀山城と共にお勧めである。波々伯部氏の城は面白い!
大手の6段曲輪→IMG_4880.JPG
IMG_4898.JPG←三ノ郭土塁の石列
 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/?ll=35.068414,135.314795&z=16&base=std&vs=c1j0l0u0
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