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ハイティンク/ロンドン交響楽団来日コンサート2015 [クラシック音楽]

ハイティンクがロンドン響と再来日。9月30日にミューザ川崎で、モーツァルトのピアノ協奏曲第24番とブルックナーの交響曲第7番。サントリーホールでの、ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番・ブラームス:交響曲第1番のコンサートと、どちらを取るか迷った挙句の選択だった。

まず最初のモーツァルト。ソリストはペライア。ペライアを生で聴くのは初めてだろうか。24番はモーツァルトの数多いピアノ協奏曲の内、単調で書かれた2曲の内の1つで、有名で演奏の機会の多い20番と比べると、ちょっとパッとしない曲というのが個人的印象。久しぶりに聞いた曲だが、モーツァルトとしては旋律の使い方や変化のさせ方が少々エレガントさに欠ける感じで、久しぶりにじっくりと聞くと、あんまりモーツァルトらしくないないなあ、と言う印象。勿論これは演奏者とは無関係な話。おまけにコンサートの直前まで仕事の電話でバタバタしていて、あまり集中して聴けなかったのも悪かった。ハイティンクの指揮は、やはり歳のせいか、短調の曲にしては少々劇性に欠ける印象だった。

この日のメインのブルックナーは、さすがにハイティンクだけあって要所を押さえた指揮ぶり。しかし2年前の第9番と比べると少々テンポの揺れ幅が大きく、もう少しインテンポでもいいのでは?と思った。オケは、第1、第2ヴァイオリンを左右に分けた対抗配置で、第1ヴァイオリンの奥にコントラバスがあって、左側の席だとよく低音が響いて聞こえた。面白かったのは、チューバの配置。ティンパニーの右にトロンボーンが座り、その右端にチューバがいるのだが、第2楽章の時だけチューバが歩いて移動し、コントラバスの横に座っていた。その目的は、聴けばわかるが、第2楽章の陰鬱な旋律の際に、コントラバスの低音とチューバの低音を一体化させるための措置だった。ハイティンクは高齢にも関わらず、全体をビシっと統率し抜いており、最終楽章のコーダの最後まで全く弛緩するところがない。

しかしハイティンクも、もう86歳。さすがに大曲の指揮を終えた後は歩くのも辛い感じで、見ていて少々痛々しかった。今回の来日ツアーも、8日間で5回のコンサートという強行軍で、86歳の高齢には辛いだろう。あまり考えたくはないが、もしかしたらこれが最後の来日になるかもしれない。無理せず体をいたわって欲しいと思うのが正直なところである。

尚、今回のコンサートでは、私の方に精神的なゆとりがあまりなく、集中して聴くことができなかったのが残念だった。
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