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東野城(茨城県常陸大宮市) [古城めぐり(茨城)]

IMG_7292.JPG←横矢の掛かる横堀
 東野城は、歴史不詳の城である。檜沢城の項でも触れた大縄久照文書に記載された番衆の地名の中に「東野」の名があることから、戦国期には、佐竹領西方の軍事拠点の一つであったと推測されている。

 東野城は、国道293号線のすぐ東に位置する比高20m程の低丘陵に築かれている。曲輪外周に横堀を巡らして防御を固めた屈指の城で、地元では以前より城跡と知られていたらしいが、つい最近まで城郭研究者の間で認知されていなかったとは信じ難い程である。大きく3つの曲輪から構成されており、主郭は内部が2段に分かれ、外周に横堀を巡らしている。この横堀は、北から東にかけての2つの部分で折り曲げて横矢掛かりを設け、特に北東角のものはクランク状に折り曲げ、主郭とニノ郭の隅部から堀底を厳重に監視している。主郭の北東に位置する二ノ郭も横堀で防御している。一方、主郭の北西は高台の北出丸となっており、北西方向への監視を担っていたらしい。この他、外周横堀から数ヶ所竪堀が落ち、特に主郭東側のものは大手虎口となっていた様だ。この他、南側の裾野に曲輪跡と思われる平場が残っている。外周横堀の技法は多気城と同じで、両者の築城主体が同じであったことを推測させる。但し、城の規模は、東野城の方が小さく、地勢面での要害性も低い。それにしても大きな横堀に横矢掛かりが構築され、まとまった兵力も駐屯可能な曲輪の大きさを持ち、戦国期に活用された軍事拠点であったことを伺わせる。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/36.577524/140.366178/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0f0
タグ:中世平山城
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