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阿津賀志山防塁 発掘調査説明会 [城郭よもやま話]

IMG_5131.JPG←発掘された薬研堀(外堀)
今月3日に、宮城遠征での目的地、馬牛楯に行く途中、国道4号線でたまたま阿津賀志山防塁を通りかかったところ、人が集まっていて説明会をやっているようだったので、急遽予定を変更して説明会に参加した。今回は第19次の調査である。内容としては、奥州合戦という一戦の為だけに作られた防塁という性格上、ある短期間にだけ存在した土塁と堀に遺構が限定される。

今回の発掘現場は4号線のすぐ脇で、厚樫山の山麓に当たる。以下、解説員の方の話。発掘された二重堀では、外堀が深い薬研堀であったのに対して、内堀(平泉側)は箱堀形状であったことが確認されている。今回の調査でどちらの堀も岩盤まで掘られていることが確認され、相当な規模の動員をかけて構築された防塁であることが実証された。これほどはっきりと堀の構造が検出されたのは今回が初めてらしい。堀に溜まった土砂の状況によれば、自然に埋まった形跡が見られ、どうも頼朝は奥州合戦後も防塁はそのまま残していたらしいことが判明したと言う。また外堀には犬走りの段(解説員は「テラス」と称していた)があるが、柵列は検出されていないこと、またこれまで調査された他の箇所ではこのような犬走りが見られていないことから、はっきりとは判断できないものの後世の耕地化による改変の可能性があるということだった。土塁は、掘った土砂を盛って高さを増しているが、版築までは行われていないとのこと。急造の防塁だからであろうか?

これまでに数回、各地で行われたこのような発掘調査説明会に参加したが、首都圏から遠くはなれているせいもあるのか、参加者数が少なく閑散としていたのは少々残念だったが、貴重な説明会にたまたま参加できたのは、非常に幸運だった。
タグ:発掘説明会
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