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富沢館(宮城県仙台市) [古城めぐり(宮城)]

IMG_8475.JPG←主郭の堀と土塁(ブルーシート部)
 富沢館は、この地の土豪山岸氏の居館であったと推測されている。史書には、天文年間(1532~54)に山岸肥前宗成が富沢邑に居住していたとされ、戦国時代に山岸氏の支配する村であったことが伝えられている。江戸時代には、入生田氏が富沢館に在郷屋敷を構えた。入生田氏の祖は清康で、その子元康は1636年に伊達政宗に殉死した。その後も、仙台藩士入生田氏の居館として続いた。

 富沢館は、環郭式の平城形式の居館である。新笊川をそのまま外堀に取り入れて、その南岸に築かれている。土塁と堀で囲まれた主郭の周囲に、外郭をぐるりと廻らしていた。ここ2~3年で、区画整理事業のために発掘調査が実施され、外郭は既に整地の重機類によって蹂躙されている。主郭は、半年前には辛うじて西側土塁と堀が、ブルーシートを掛けられたまま残っていたが、現在はどうなってしまったかわからない。既に全面的に破壊されているかもしれない。いずれにしても昭和20年代後半の航空写真ではきれいに残っていた環郭式の平城は、今や開発で風前の灯である。何とか保護の手立てを講じられなかったのかと悔やまれる。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/38.214632/140.861464/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0f0
タグ:中世平城
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