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城峰城(栃木県茂木町) [古城めぐり(栃木)]

IMG_09986.JPG←主郭北側の帯曲輪群
 城峰城は、歴史不詳の城である。伝承によれば、時期不明であるが兵部卿和久某が築城したと言われ、南北朝期の1359年に結城氏と戦って敗れ廃城となったと言う。この伝承が確かだとすれば、南朝方(宮方)の城で、北朝方の下総結城氏に攻め落とされたということなのだろう。1359年といえば、将軍足利尊氏が没した翌年に当たり、2代将軍義詮が、尊氏の宥和政策から一転して南朝方に軍事攻撃を掛け始めた時であるので、そうした中央の情勢変化と連動していた戦いであった可能性もある。

 城峰城は、標高160m、比高60m程の山稜上に築かれている。南東麓の県道51号線脇は藪が伐採されて整備されているので、そこから直登するのが手っ取り早い。ここから登ると、南東の張り出した尾根の小ピークの先に僅かな浅い堀切があり、更に進むと南のピークに至る。明確な普請はされていないが、二ノ郭的な空間であったと思われる。ここから北に尾根を登っているクと、小規模な二重堀切があり、ここから主城域に入る。山頂に綺麗に削平された主郭を置き、周囲に数段の帯曲輪を廻らしただけの簡素な構造である。主郭北側には一段低い段があり、虎口郭であったと推測され、そのまま帯曲輪に接続している。帯曲輪群は北西方向に重点配置されていることから、北西の茂木城方面からの侵攻を想定して築かれたと推測される。小規模な砦だが、遺構は比較的明瞭で探索もしやすい。形態としては、伝承の通り南北朝時代の素朴な姿をそのまま留めていると思われる。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/36.518190/140.210996/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0
タグ:中世山城
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