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中村城(京都府南丹市) [古城めぐり(京都)]

IMG_2247.JPG←放射状の竪堀
 中村城は、この地の国人領主で島城主川勝氏の支城である。詳細は不明であるが、川勝兵衛大輔氏隆が城主だったと伝えられている。

 中村城は、島城と谷戸を挟んでそびえる標高290m、比高100mの山上に築かれている。城へは、西麓の民家裏の小道を進み、東へ谷とへ登っていくと歓楽寺跡の平場があり、そこから南の斜面を直登すれば到達できる。主郭を中心に、北・南・西の三方の尾根に曲輪を配している。『図解 近畿の城郭Ⅲ』の縄張図の呼称に従うと、北尾根にⅢ郭・Ⅳ郭、南尾根にⅡ郭、西尾根にⅤ郭を置いている。いずれの曲輪も外周の切岸がしっかり構築されていて、下の斜面から見ると、塁線がそびえている。Ⅳ郭は上下Ⅱ段に分かれており、下段は中央が窪地となった緩やかな斜度を持った曲輪である。北から東の斜面には放射状に竪堀を落としている。4郭上段は削平が綺麗にされているが、その上のⅢ郭とされる部分は自然地形に近い斜面である。主郭へは前面の切岸の左方に進むと虎口がある。主郭内は綺麗に削平されているが、塚状のものと井戸跡と堀状溝が残っている。井戸跡と溝には現在でも水が溜まっている。溝は井戸と繋がっているので、水路として使われたのかもしれない。主郭と南のⅡ郭とはわずかな段差で区切られているだけだが、東辺近くは段差のない城道となっていて、側方に低土塁を伴っている。主郭の西には『近畿の城郭』に呼称が付いていない西郭があり、そこから尾根を降るとⅤ郭がある。Ⅴ郭の西の斜面にも竪堀が何本か穿たれているが、Ⅳ郭周囲よりも不鮮明である。あまり技巧性はないが、少々風変わりな縄張りの城である。
主郭の井戸・溝跡→IMG_2288.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/35.278742/135.558586/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0
タグ:中世山城
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