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山居台城(栃木県益子町) [古城めぐり(栃木)]

IMG_9949.JPG←主郭前面の堀切
 山居台城は、歴史不詳の城である。標高165mの丘陵上に築かれている。縄張りから考えると、大手は城址北西麓にある貯水池脇の登り口からであるようだが、貯水池から南に谷戸の中へと登っていく道の方がわかりやすい。この道を進むと鞍部の切り通し状の部分(脇に給水施設がある)に出るので、ここから北に登っていくと城址に着く。ほぼ単郭の城であるが、主郭は広いが削平が甘く、内部は2段に分かれている。特に西側ははっきりした切岸で区画されている。これは、主郭の西下に武者走りが通っており、それに対する防御を意識していたのだろう。また、主郭中央付近にはやや盛り上がった土壇も見られる。主郭の南側にはかなり浅い横堀、北側には堀切が穿たれている。北の堀切は西側で竪堀状通路となって大手道につながっており、城内通路を兼ねていることがわかる。主郭の北側にはほとんど自然地形の北郭があり、更に北にやや離れて堀切・腰曲輪がある。この堀切は、西端部の大手道脇だけ堀切(横堀)状になっており、東側は腰曲輪になっているので、大手防御を意識した構造になっていることがわかる。大手道を北へと降っていくと、城からだいぶ離れた所に切岸遺構があり、これもかなりはっきりした城郭関連遺構である。この他、大手の登り口近くに小祠があるが、その背後に土塁状の土盛りがあり、北麓に向かって一直線に伸びている。ただ民家に近いので、流石にこれは遺構かどうかはわからない。
 山居台城は、遺構を見る限り、主郭などかなりざっくりした構造で、秩父などでよく見られる村の城(村人の戦時の逃げ込み城)ではなかったかとも考えられる。一方、北方1.5kmには山本城があるので、山本城の詰め城だった可能性も考えられる。
北にやや離れて穿たれた堀切→IMG_9958.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/36.421602/140.104222/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1


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タグ:中世山城
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