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八百岐館(茨城県常陸太田市) [古城めぐり(茨城)]

IMG_9179.JPG←大堀の堀跡
 八百岐館は、小野崎城を本拠とした小野崎氏の庶流石神小野崎氏の当初の居館である。南北朝期に小野崎城主小野崎通胤が櫛形城に本拠を移した際、その二男通房が旧地に留まり八百岐館を築いて居館としたとされる。後に石神城に居城を移したが、その時期には諸説あって明確ではない。いずれにしても石神城に本拠を移すと、八百岐館は廃館となったと言う。

 八百岐館は、小野崎城と同じ台地の西部に築かれている。館跡は現在、山林の他、北側が墓地に変貌している。あまりはっきりした遺構はなく、平場と腰曲輪らしい段が見られるだけである。墓地脇に土壇があり、ネットでは残存土塁の遺構とされているが、コンクリートブロックの塀が突き立っているなど、どうも遺構の様には見えない。館から若干東に離れて、大堀と呼ばれる堀跡があり、ここは形状が明瞭である。また館の東を谷戸に下る坂道の脇には井戸(小野七井の一つ、「前我井」と言う)が残っており、往時にも使われたものだったかもしれない。素朴な形態の台地上の居館だった様である。
 尚、館跡の北東の民家の庭先に「外城」と刻まれた大きな石があり、ここの字名であるらしく、城の痕跡を地名に残していることがわかる。ただその地名が、八百岐館に対する外城なのか、小野崎城に対する外城なのかはわからないのが実情である。
「外城」の碑→IMG_9170.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:http://maps.gsi.go.jp/#16/36.559429/140.527089/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1


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タグ:中世崖端城
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