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城生柵(宮城県加美町) [古城めぐり(宮城)]

IMG_9924.JPG←築地塀跡
 城生柵は、奈良~平安時代にこの地に築かれた古代城柵である。昭和52年から発掘調査が行われた結果、奈良時代中期頃には既に造営され、平安時代まで続いた城柵であることが判明している。東北の城柵としては最も小さく、東西350m、南北370mの築地塀で囲まれた方形の城柵で、築地塀の外側7~8mの位置には幅3~4mの大溝(外濠)が穿たれていたことが確認されている。また、北辺中央部には八脚門が作られ、築地塀の内部は溝で区画され、掘立柱建物・倉庫・竪穴住居跡などが発見されている。構造的・時代的に多賀城等と関連する城柵とされ、737年(天平9年)に現れる多賀城関連の5柵の内の玉造柵や色麻柵ではないかとする説、賀美郡衙とする説などが提示されているが、未だに定説は見られていない。

 城生柵は、加美町中心街の北方にあり、低丘陵の南端部に築かれている。耕地化でかなり遺構は失われているが、現在でも北東角に築地塀の遺構が残っている。この遺構は墓地裏にあり、L字状に土盛りが残っている。城柵の南東の交差点脇に立派な石碑と解説板が立っているが、ここは城柵の外で、唯一遺構の残っている北東角からも遠く離れ、しかも遺構の地図も掲出されていないので、甚だわかりにくい。また築地塀遺構も誘導標識など全く無く、事前に位置を探し出しておかないと、現地で辿り着くことは困難である。せっかくの国指定史跡なのに、加美町の扱いは甚だ残念というほかはない。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:【築地塀跡】https://maps.gsi.go.jp/#16/38.584690/140.853685/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0f1


蝦夷と城柵の時代 (東北の古代史)

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タグ:古代城柵
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