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猫山城(群馬県渋川市) [古城めぐり(群馬)]

IMG_6910.JPG←堀切と西郭群
 猫山城は、猫城とも言い、白井長尾氏の支城である。「猫」は根古屋の転訛らしい。当初は戸丸甚右衛門が在城し、1582年には牧和泉守が城を守り、牧氏は北条方として上杉方の真田勢と戦ったと言う。但し、牧氏の奮戦は津久田城にも伝わっており、城の遺構を見る限り、津久田城が攻撃を受け、攻撃中の真田勢を猫山城から出撃した軍勢が背後から急襲したと言う辺りが実相のような気がする。

 猫山城は、標高340m、比高100m程の山上に築かれている。東西に伸びる尾根上の2つに峰にまたがって築かれており、東郭群と西郭群から成る一城別郭式の縄張りである。『日本城郭大系』では、西郭群が本城で東郭群が別城(出城)としているが、東郭群の方が標高が高いので、こちらが本城のはずである。縄張りは全体的に簡素である。東郭群は長円形の主郭の周りに2段の腰曲輪が半周囲繞しているだけである。上段は幅が広いが、下段は帯曲輪状となっている。この東郭群の北に鞍部の自然地形が続き、北端に小堀切を挟んで西郭群が築かれている。西郭群あり、最上段の西主郭に城址標柱が立っている。その西側に小堀切を挟んで、猫山城では最大の面積を持っている西ニノ郭が広がっている。尾根は西ニノ郭の先で北に折れて伸び、そこにやはり堀切を挟んで西三ノ郭が築かれて、城域が終わっている。この他、城の築かれた尾根の北斜面下方にも傾斜の緩い平場が見られ、腰曲輪であった可能性がある。薮は少なく、遺構はよく確認できるが、普請の規模の小さいささやかな遺構で、恒常的な城砦と言うより、作戦上臨時に取り立てられた城砦と感じられた。
 尚、私は城まで北の谷筋の車道から斜面を直登したが、山上から遠望した限りでは西の車道から西尾根筋を登っても来られそうに見えた。それができれば、西からのアクセスの方が楽だと思う。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.529795/139.039557/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


ワイド&パノラマ 鳥瞰・復元イラスト 日本の城

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  • 出版社/メーカー: 学研プラス
  • 発売日: 2018/06/19
  • メディア: 単行本


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