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内館館(宮城県多賀城市) [古城めぐり(宮城)]

IMG_2002.JPG←この水田の下に堀があるはず
 内館館は、南宮館とも言い、戦国時代に留守氏17代顕宗が隠居後に暮らした居館であったと伝えられている。顕宗は伊達晴宗と対立し、その圧迫を受けて1567年に晴宗の3男政景の入嗣を受け入れ、隠居を強いられた。この時、政景に居城の岩切城を譲り渡し、自身は内館館に移ったらしい。

 内館館は、現在は一面の水田地帯となっており、表面観察できる遺構は残っていない。しかし、水田の中に現れたクロップマークによって、堀跡の全容が確認されている。クロップマークとは、地下の堀状遺構の部分にだけ水分が多く溜まっている事により、地上の稲の生育に影響して、そこの稲だけ成長して遺構の状況が現れる現象である。2018年に猛暑に見舞われたイギリスで、クロップマークが各地の畑の中に浮かび上がり、多数の古代遺跡が新発見されている。内館館では、クロップマークに基づいて2016年に発掘調査が行われ、実際に堀があったことが確認されている。またクロップマークとして現れた堀の形状は、昭和20年代前半の航空写真でも水田の形として確認できる。しかし現在は跡形もなく埋め戻され、調査以前の水田に戻っている。せっかく発掘調査を行ったのに、解説板はおろか館跡を示す標注すら立っていない。いつの日か、解説板が立つ日を期待したい。
 尚、前述の航空写真では、内館館のすぐ西側にも方形の堀跡の様な水田が見られるので、こちらも中世の城館遺構ではないかと思う。

 お城評価(満点=五つ星):☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/38.304318/140.972636/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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タグ:居館
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