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金鶏山楯(宮城県登米市) [古城めぐり(宮城)]

IMG_6339.JPG←主郭内の薮に埋もれた看板
(2019年11月訪城)
 金鶏山楯(金鶏山館)は、前九年の役の頃に安倍貞任・宗任の拠点として築かれたと言われ、1062年に源頼義が奪取し、陣所として使用したとされる。しかし明証はない。

 金鶏山楯は、標高71m、比高60m程の金鶏山に築かれている。山の南東の山腹に昌学寺の墓地が広がっており、墓地の西端から登山道が伸びている。しかし山頂近くで登山道が途切れてしまうので、そこからは斜面を登っていくしかない。頂部に築かれた主郭とその周囲の帯曲輪だけから成る単純な構造の城である。一応主郭内に城址看板が建っているが、主郭内は未整備の薮だらけで、標柱も薮で埋もれてしまっている。帯曲輪は北側のものは明瞭で、主郭内に入る虎口も確認できるが、それ以外は薮もあってはっきりしない。『日本城郭大系』では南東部に浅い空堀も穿たれていると言うが、薮でよくわからなかった。遺構から見る限り、かなり古い形態を留めた城と考えられ、前九年の役にまつわる城跡というのも、あながちただの伝説ではないのかもしれない。
帯曲輪から主郭に登る虎口→IMG_6342.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/38.771886/141.173340/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

※東北地方では、堀切や畝状竪堀などで防御された完全な山城も「館」と呼ばれますが、関東その他の地方で所謂「館」と称される平地の居館と趣が異なるため、両者を区別する都合上、当ブログでは山城については「楯」の呼称を採用しています。


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タグ:古代山城
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