大倉砦(山梨県上野原市) [古城めぐり(山梨)]
←二ノ郭の上の主郭
大倉砦は、歴史不詳の城砦である。甲相国境に近いこの地域では、桂川・鶴川・仲間川の流域に、南から栃穴御前山砦・牧野砦・四方津御前山砦・長峰砦・大倉砦が南北に並んで相模勢に対する防衛線を形成しており、大倉砦はその北端に当たる。現在残る縄張りからは、在地土豪層の要害と言うより、武田氏や小山田氏などによって甲斐一国の防衛構想の中で管理された砦ではなかったかと、『甲斐の山城と館』では推測している。
大倉砦は、標高536mの要害山に築かれている。独立した円錐形をした独特な山容で、中央道からもよく見える。東の小倉集落の最上部から登道が整備されており、迷うことなく登ることができる。山頂に縦長長円形の主郭を置き、その北側以外の三方を囲むように二ノ郭を廻らし、西尾根に段状に6段ほどの曲輪群を築いている。主郭はコの字状の土塁を三方に廻らしており、郭内には秋葉大権現が祀られている。主郭からの眺望は抜群で、上野原市街から前述の諸城砦までを眼下に一望できる。主郭西側の二ノ郭からの登り口には、小さな土塁と空堀が構築されて虎口を防衛している。二ノ郭の東端には明確な内枡形虎口が形成され、その下方には小堀切が穿たれて前面の障壁としている。また西側尾根の曲輪群はきれいに削平され、曲輪群を区画する切岸や削り残しの竪土塁も明瞭である。また土塁と堀状通路を使った枡形虎口も構築されている。上野原の城砦群の中では、牧野砦と並ぶ立派な城郭遺構で、大倉砦の重要性がよく分かる。
お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.646556/139.087365/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1
大倉砦は、歴史不詳の城砦である。甲相国境に近いこの地域では、桂川・鶴川・仲間川の流域に、南から栃穴御前山砦・牧野砦・四方津御前山砦・長峰砦・大倉砦が南北に並んで相模勢に対する防衛線を形成しており、大倉砦はその北端に当たる。現在残る縄張りからは、在地土豪層の要害と言うより、武田氏や小山田氏などによって甲斐一国の防衛構想の中で管理された砦ではなかったかと、『甲斐の山城と館』では推測している。
大倉砦は、標高536mの要害山に築かれている。独立した円錐形をした独特な山容で、中央道からもよく見える。東の小倉集落の最上部から登道が整備されており、迷うことなく登ることができる。山頂に縦長長円形の主郭を置き、その北側以外の三方を囲むように二ノ郭を廻らし、西尾根に段状に6段ほどの曲輪群を築いている。主郭はコの字状の土塁を三方に廻らしており、郭内には秋葉大権現が祀られている。主郭からの眺望は抜群で、上野原市街から前述の諸城砦までを眼下に一望できる。主郭西側の二ノ郭からの登り口には、小さな土塁と空堀が構築されて虎口を防衛している。二ノ郭の東端には明確な内枡形虎口が形成され、その下方には小堀切が穿たれて前面の障壁としている。また西側尾根の曲輪群はきれいに削平され、曲輪群を区画する切岸や削り残しの竪土塁も明瞭である。また土塁と堀状通路を使った枡形虎口も構築されている。上野原の城砦群の中では、牧野砦と並ぶ立派な城郭遺構で、大倉砦の重要性がよく分かる。
西尾根の曲輪群→
お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.646556/139.087365/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1
甲斐の山城と館〈下〉東部・南部編―縄張図・断面図・鳥瞰図で見る
- 作者: 宮坂 武男
- 出版社/メーカー: 戎光祥出版
- 発売日: 2014/07/01
- メディア: 単行本
タグ:中世山城
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