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駒宮砦(山梨県大月市) [古城めぐり(山梨)]

DSCN0929.JPG←三ノ郭から見た堀切と主郭
(2020年12月訪城)
 駒宮砦は、御前平の烽火台とも言い、歴史不詳の城砦である。一説には、この地に土着したと伝えられる相馬氏の後裔の居城との推測もある。しかし岩殿城の後背部を押さえる位置にあることから、岩殿城の北方を防衛すると同時に、小菅・丹波山地域と岩殿城を結ぶ烽火台的役割を担っていたものと、普通には考えられている。

 駒宮砦は、葛野川曲流部に東から突き出た標高496mの山稜上に築かれている。この城へは、北東麓の駒宮集落の南端最上部から城山の北東尾根の天神峠に登る道があるのでそれを登り、尾根上の峠に出たところで道を逸れて南西に登っていくと城域に至る。東西に曲輪を並べた連郭式の縄張りで、それぞれの曲輪間を合計4本の堀切で分断した構造となっている。中央にあるのが主郭で、前後に土塁を築き、南に虎口を設け、そこから繋がる南西斜面に腰曲輪を築いている。主郭の前後は堀切が穿たれ、西に二ノ郭、東に三ノ郭が置かれている。二ノ郭は後部に土塁を伴う土壇を築いており、櫓台があった可能性がある。また二ノ郭の南西には意図が不明な短い横堀がある。或いは水の手か雨水溜めであろうか?二ノ郭の先にも堀切が穿たれ、その前に先端の堡塁が築かれている。一方、三ノ郭も北から東にかけて土塁を築き、北斜面に帯曲輪、三ノ郭の先端には堀切を穿っている。いずれの堀切もやや円弧を描く様に穿たれ、両端から竪堀をしっかり落としている。この他、各所の土塁上には礫石が散乱している。駒宮砦は、しっかりと普請された城砦で、単なる烽火台ではない。しかしそれほど堅固な構造でもないので、少数の兵で守備した繋ぎの出城と考えられる。
主郭切岸と西側の堀切→DSCN0989.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.653164/138.964938/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


甲斐の山城と館〈下〉東部・南部編―縄張図・断面図・鳥瞰図で見る

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  • 作者: 宮坂 武男
  • 出版社/メーカー: 戎光祥出版
  • 発売日: 2014/07/01
  • メディア: 単行本


タグ:中世山城
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