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猿橋の城山(山梨県大月市) [古城めぐり(山梨)]

DSCN6289.JPG←二ノ郭、奥は主郭
(2021年2月訪城)
 猿橋の城山は、歴史不詳の城砦である。西方には隣接するように駒橋御前山砦があり、西北西3.4kmの位置に岩殿城がある。猿橋の城山は東方の桂川流域の監視を担い、急を岩殿城へ伝えたと推測されている。

 猿橋の城山は、標高544.5m、比高210m程の山上に築かれている。城郭本などでは東麓の妙覚寺の裏から登るルートを紹介しているが、北麓から北西尾根に取り付いて登る登山道が整備されており、そちらを登った方が良い。妙楽寺ルートは、山頂近くで道が消失しているからである。北麓ルートは、猿橋小学校の西の脇を登る車道を南に登っていき、突き当たりの笹薮に埋もれかけた柵にある出入口が登り口となっている。小学校北側の県道脇には「天王山参道」と書かれている。前述の柵を入っていくと、西に登っていくルートとなり、その後は城山の北西の尾根を直登するルートとなる。途中に小祠を祀った神社があるが、その先は岩場の登りとなる。途中に傾斜のきつい登りもあり、健脚者向きの城砦である。城域北端の岩場を越えると、何本かのアンテナが立つ細尾根の平場があり、その背後に堀切がある。その先をちょっと登れば主城部に至る。猿橋の城山は頂部に主郭を置き、北に二ノ郭、北西に腰曲輪を配置し、東にやや降ったところに東郭がある。いずれの曲輪もきれいに削平されており、主郭の後部には櫓台のような土壇があり、ここに三角点が設置されている。主城部は杉林で覆われていて眺望が利かないが、城域北端の岩場は物見台であったらしく、ここからは岩殿城と駒橋御前山砦を間近に見ることができる。城砦としては規模が小さいが、ここも普請の手はしっかりと入れられており、重要な軍事施設であったことがうかがわれる。
主郭の櫓台状の土壇→DSCN6309.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.607164/138.982383/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


甲斐の山城と館〈下〉東部・南部編―縄張図・断面図・鳥瞰図で見る

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  • 作者: 宮坂 武男
  • 出版社/メーカー: 戎光祥出版
  • 発売日: 2014/07/01
  • メディア: 単行本


タグ:中世山城
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