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茶臼山烽火台(山梨県甲州市) [古城めぐり(山梨)]

DSCN6744.JPG←西尾根の堀切
(2021年2月訪城)
 茶臼山烽火台は、歴史不詳の城砦である。伝承では、勝沼氏の詰城であったとも言われる。勝沼氏は郡内小山田氏の目付であったので、勝沼氏がこの烽火台の管理に当たったとの説もある。また位置的には笹子口に備えた烽火台と推測されている。

 茶臼山烽火台は、標高948m、比高440m程もある峻険な山上に築かれている。以前は西麓から登山道が整備されていたが、近年の台風による倒木などで荒れており、登山道入口に「倒木危険 登山禁止」と掲示されている。茶臼山に登った人がネットに載せている記録の中に、本来の登山口から更に林道を奥に進み、標高670m付近から登ったものがあったので、そのルートを辿ることにした。しかし実際に訪れてみると、その付近では山林伐採が現在進行形で進んでいて、わずかにあるとされた踏み跡は、荒れ果てたガレ場に変貌していた。従って、道も消失しており、きつい斜面を高さ200mも直登することになった。そんなわけでキャッスリング上級者向けの城砦であることを最初にお断りさせていただく。苦労してようやく標高850m付近の尾根に出て、そこからは尾根に沿って東に登っていけば、やがて烽火台に至る。しかしこの尾根上も倒木が多数あった。また私が斜面直登で登り付いた地点から西の尾根は倒木でジャングルジム状態になっており、元の登山道は登攀困難だと思う。山上の烽火台は、小規模な城砦で、主郭の周囲に腰曲輪が廻らされ、東と北東の尾根には1本ずつ堀切が穿たれ、南の尾根だけ2本の堀切が穿たれている。縄張りとしてはそれだけの、単純な構造である。主郭には「大龍王」の石碑が建っているが、これは雨乞いのものであるらしい。遺構はよく残っているが、各曲輪の内部や堀切にも根こそぎ倒れた木がたくさんあり、城内はかなり荒れてしまっている。最近の連年の自然災害により、こうした城郭遺構が失われていく危機を目の当たりにした思いである。
山頂の主郭→DSCN6766.JPG
DSCN6764.JPG←主郭周囲の腰曲輪

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/35.636189/138.738452/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


山梨の古城

山梨の古城

  • 作者: 岩本 誠城
  • 出版社/メーカー: 山梨ふるさと文庫
  • 発売日: 2017/07/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


タグ:中世山城
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