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小泉館(栃木県益子町) [古城めぐり(栃木)]

DSCN1917.JPG←畑の北辺に残る土塁
 小泉館は、田野城主羽石内蔵介の幕下であった小泉小三郎の居館であったと伝えられる。1585年に久下田城主で結城氏麾下の勇将として名高い水谷蟠龍斎正村が田野城を攻略した田野合戦の際、羽石方の武将として小泉小吉左衛門秀兼・小泉次郎兵衛秀行・小泉七郎等の名が見える。しかし羽石氏滅亡と共に小泉氏も滅亡した。また、祖母井の平石家文書によれば、祖母井信濃守九郎兵衛定久(国胤)が小泉に居を構え、後に祖母井に移ったとも伝えられる。

 小泉館は、小泉集落南方の高台に位置しているが、現在は麦畑や果樹園に変貌しており、遺構はかなり失われている。しかし北辺に土塁が残存しており、土塁の北面は切岸による段差となっている。土塁は西端部が一番高くなっていて、櫓台が置かれていたと思われる。夏場で雑草が繁茂していたので土塁上の踏査はしなかったが、櫓台の所には祠が祀られているらしく、地元の方の話では水神さんと呼ばれているらしい。昭和20年代前半の航空写真を見ると、畑の中に明確に方形の区画が確認できるが、現在残っているのは北辺部の塁線だけである。外周には空堀も廻らされていたようだが、これも現在は失われている。
 尚、この館の場所の特定に当たっては、益子町中央公民館の生涯学習課の方に情報を教えていただいた。この場を借りて御礼申し上げます。

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.414160/140.084481/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


中世城郭の縄張と空間: 土の城が語るもの (城を極める)

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  • 作者: 松岡 進
  • 出版社/メーカー: 吉川弘文館
  • 発売日: 2015/02/27
  • メディア: 単行本


タグ:居館
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