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沼ノ入城(長野県中野市・高山村) [古城めぐり(長野)]

DSCN7855.JPG←東尾根の堀切の一つ
 沼ノ入城は、歴史不詳の城である。『信濃の山城と館』では、北尾根にある小曽崖城を攻略した高梨氏が、小曽崖城の背面強化と山の南の勢力に備えて築いたもので、間山古峠の押さえも任務とした城砦だったと推測している。

 沼ノ入城は、間山峠の北西に連なる尾根上に築かれている。南麓に県道54号線の脇から間山峠に至る登山道があり、この登道から登城した。この道の入口には「間山峠→」の案内板があり、また鉄塔保守道も兼ねているため、No.11鉄塔の案内が出ている。途中の標高630m地点付近に分岐があるが、No.10鉄塔の方へ登っていけばよい。山道のルートは、下半分は1/25000地形図に記載されている道と概ね合っているが、上半分は地形図の道とかなりずれているので、ちょっと不安になる。しかし道形がしっかりしているので、迷わず登っていけば、やがて尾根上の間山峠に到達する。ここにはお地蔵さんがひっそりとたたずんでいる。ここから西に尾根を辿っていくと、すぐに城域に入る。典型的な細尾根城郭で、城内の居住性はほとんど無い。最高所にある主郭も小さな楕円形の曲輪で、物見台程度の広さしか無い。その一方、主郭から間山峠に繋がる東尾根には、小郭を挟みながら合計6本もの小堀切が穿たれている。これらの東には細長い曲輪があるが、自然地形に近い上、居住性もない。これらの曲輪の東、間山峠との間にも堀切が1本構築されている。主郭の西尾根にも堀切が3本穿たれているが、東尾根の堀切よりも小さく、東からの接近に備える縄張りであることが明確である。沼ノ入城は、峠道を押さえる物見の砦であったことがよく分かる。
小規模な主郭→DSCN7877.JPG

 お城評価(満点=五つ星):☆☆
 場所:https://maps.gsi.go.jp/#16/36.704236/138.367932/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


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タグ:中世山城
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